有川ひろ原作 阪急電車/神戸の舞台とロケ地



「阪急電車」は、有川ひろさんの小説です。小説の舞台となっているのは、兵庫県のローカル線阪急電車で、電車に乗り合わせた人達の連作短編集となっています。


映画化もされました。映画の方でも阪急電車を利用する人物が日常利用するであろう阪急沿線がロケ地となっています。


「阪急電車」を読んだ後、見た後で、阪急電車に乗った気分はまた違ったものになるのではないでしょうか?ロケ地を訪れてみるのもいいですよね。


こちらでは、小説・映画「阪急電車」にゆかりの場所を紹介しています。




阪急電車/宝ジェンヌも利用する 関西人に別格扱いされる憧れの電車



阪急電車は、「阪急マルーン」と呼ばれるあずき色っぽいで車体で関西人にはおなじみの電車です。開業当初から100年を越えた現在でも同色を採用し続けているということで、どことなくクラッシックな印象を受ける電車です。


阪急電車は 京都線、宝塚線、神戸線を主要路線としていますが、神戸市民にとって、一番なじみがあるのは神戸線。神戸と大阪を結んでいる電車の中で、一番山側を走っています。



神戸・芦屋・西宮の六甲山系の麓の山手は基本的に高級住宅地であったり、有名大学や高校などが多いことから、”阪急電車”というと垢抜けたハイソな雰囲気を醸し出している乗客や学生が多いというイメージがあります。が、イメージだけでなく、実際に駅を降りてみると、自然豊かな高級住宅街といった雰囲気を体感することができます。


三つの主要路線以外にも、いくつかのミニ路線から構成されていますが、小説『阪急電車』の舞台となっているのは、ミニ路線の一つ阪急今津線。阪急宝塚駅から兵庫県西宮市の西宮北口駅を経て阪急今津駅までを結んでいます。


出典: 路線図・駅情報|阪急電鉄



車体もクラッシックで特徴的ですが、車内のシートもクラッシックで素敵です。電車の座席の生地の中では、阪急電車が一番お高いとという噂を耳にしたことがありますが、本当でしょうか?



緑色のきめが細かい生地で、指でなぞると色が濃くなって絵が描けます。神戸っ子なら一度はやったことがあるかも。



ちなみに、阪急電車を経営しているのは、阪急電鉄。そして、阪急電鉄は、宝塚歌劇団の運営を行っているため、車内のつり広告には宝塚のタカラジェンヌたちのポスターがよく貼ってあります。


タカラジェンヌたちは、阪急電鉄の社員でもあるということで、阪急電車を利用することも多いとか。テレビで、タカラジェンヌたちは、先輩が乗っているかもしれない阪急電車には深く頭を下げてお辞儀をするといった習慣があると聞いたことがあります。


お辞儀をしているところは見たことありませんが、私も一度だけ、絶対そうやろ~~といういかにもタカラジェンヌっぽい一団に出くわしたことがあります。



先頭車両の最前列からは、電車の操縦室と沿線風景と鉄道が眺められるので、なんだか得した気分になります。うちの子もこちらの場所がお気に入り。運転手さんになった気分が味わえます。


阪急電車では、オリジナルグッズや期間限定のコラボ商品などが販売されています。電車が好きな方へのプレゼントやお土産にもいいかもしれませんね。




フロインドリーブ/阪急電車の映画のロケ地


『阪急電車』は、映画化もされ、中谷美紀さんの美しいウェディングドレス姿が話題になりました。着ると幸せになれるはずのウェディングドレスですが、こちらの物語では、ウェディングドレスは花嫁の幸せな姿を表すものではなく、”討ち入り”をするための白装束のようなものとなります。


主人公の高瀬翔子は、阪急電車内で出会った時江の言葉と下車した小林駅で人の優しやや日常に触れ、ウェディングドレスを脱ぐことによって自分を取り戻し、新たな一歩を進みだします。


映画では、中谷美紀さんが演じる翔子と裏切った婚約者との別れ話からスタートします。その舞台として登場するのが、教会の礼拝堂を改装した【フロインドリーブ】です。


開放的な吹き抜け天井のなんともおしゃれなカフェで、この建物自体が有名な神戸観光スポットでもあります。こちらのカフェは、阪急神戸線三宮駅から、徒歩12分なので、津駅沿線に住む人も手軽に利用できる立地となっています。


フロインドリーブは、1924年(大正13年)創業。名古屋の「敷島製パン」の初代技師長でもあった初代ハインリッヒフロインドリーブ(Heinrich Freundlieb)が中山手に開店した本格的ドイツパンとお菓子のお店です。



現在は、元の場所から移動し、三代目ヘラ社長夫妻にゆかりのある教会をリノベーションしたカフェが本店となっています。こちらでは、おいしいドイツパンが購入できるのはもちろん、教会の礼拝堂部分を改修して作られた2階のカフェでは、シャンデリアや尖塔アーチの窓が美しい神聖な雰囲気な中で、サンドイッチやケーキなどカフェメニューが楽しめます。小さな中庭も素敵です。



実は、こちらの建物は、1999年登録文化財の登録を受けた歴史的価値の高い建造物で、こちらのカフェを利用することをメインに観光に訪れる方も多くいます。


映画の場面が場面だけに、翔子の気分を味わって~とはいかないですが、神戸気分が満喫できる素敵なカフェです。【フロインドリーブ】が登場するのは映画のみで小説には残念ながら出てきません。


メインのフラワーロードよりも一本中に入ったところにカフェがあります。
この辺を歩いていた時に、何度か”フロインドリーブってどこですか?”と道を尋ねられたこともあります。ちょっとわかりにくいかもしれないので、事前に地図を確認するなどしてくださいね。駐車場もあります(12台)。




ハーバーランド/メリケンパーク 阪急電車のロケ地

『阪急電車』には、神戸市出身の戸田恵梨香さんも出演されているということで神戸では盛り上がっていいました。



戸田恵梨香演じるミサと恋人のカツヤがデートしていたのは、神戸の定番のデートコースハーバーランドのモザイクです。



ミサとカツヤは一緒の大学ではありませんが、阪急沿線の大学にそれぞれ通っています。ミサは小林駅近くに、カツヤは神戸線沿線に住んでいることからすると、【モザイク】ならきっと行っているはず。



モザイクでデートしているなんて、すてき~なんて思われるかもしれせんが、カツヤはかなり粗暴な性質で、気にくわないことがあると人前でも当たり構わずミサを怒鳴ったり殴ったりします。ミサがどうなるのか心配ですが……


ミサは、阪急電車で出会った時江の言葉に自分の惨めさに気づき、相武紗季さん演じる幼馴染のマユミに叱咤激励され、マユミの兄の力を借りて、次の一歩を踏み出します。



メリケンパークは、マユミがミサを叱咤激励する場面で登場します。



小説には、モザイクもハーバーランドもはでてくることはないのですが、神戸市民にとっては、映画【阪急電車】をさらに身近に感じられるシーンとなりました。


神戸観光旅行で、多くの人か訪れるメリケンパークとハーバーランド。映画を見て訪れたら、ちょっと違った景色に見えるかもしれませんね。






作家有川ひろ/阪急電車の感想 ネタバレなし



小説『阪急電車』は、有川ひろさんの小説です。名前から男性だと勘違いしている人も多いようですが、女性の作家さんです。2019年2月、産経新聞上にてペンネームの表記を有川浩から有川ひろへ改めることを発表されました。


小説『阪急電車』の舞台となっているのは、ローカル線阪急電車。高知県出身の作家さんですが、阪急沿線の塚口駅が最寄り駅の大学に通われていたそうです。通学に阪急電車を利用されていたのでしょうか?



阪急電車にはいくつかの路線がありますが、こちらは、今津線の物語となっていて、今津線の通る宝塚駅~西宮北口駅間の駅名が章のタイトルにもなっています。前半は宝塚駅~西宮北口駅まで、後半では折り返して再び西宮北口駅~宝塚駅まで描かれています。


小説『阪急電車』の登場人物は、OLや大学生、高校生、主婦、老婦人など、普段から阪急電車を利用しているであろうごくごく普通の人たちです。


電車で乗り合わせた人たちが、時には言葉を交わしたり、すれ違ったりするなかで、時には人生を変えるくらい大きな影響を受けたりするところにこの物語の面白さがあります。


『阪急電車』を読むと、電車の中でスマホばかりみているのが、もったいなくなってしまうかもしれません。ただ電車に乗るという事がなんだか特別に感じられるようになりそうです。


阪急電車に興味がある人もない人も、是非一度小説『阪急電車』を読んでみてくださいね。




『阪急電車』の舞台周辺・神戸のメジャー観光スポットの紹介・リンク集


『阪急電車』の舞台周辺には神戸を代表する観光スポットがたくさんあります。是非メインの目的地としてお立ち寄りください!!

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